
色は、目に見えるものです。
けれど、その選択理由の多くは目に見えません。
私たちは日々、無数の色を選んでいます。
服の色。
車の色。
部屋の壁紙。
ロゴや名刺。
スマートフォンのケースひとつにも、色の選択があります。
そのとき人は、理屈だけで決めているわけではありません。
「なんとなく好き」
「落ち着く気がする」
「これがしっくりくる」
多くの場合、理由は感覚の中にあります。
しかし、その“なんとなく”には意味があります。
青を選ぶ人は、安心や信頼を求めているのかもしれません。
赤を選ぶ人は、前進したい熱量を持っているのかもしれません。
白を選ぶ人は、整った状態や余白を求めているのかもしれません。
もちろん、色の意味を単純に決めつけることはできません。
人の経験や文化、記憶によって感じ方は変わります。
それでも確かなのは、
色の選択には、その人の内面がにじむ。
ということです。
これは企業やブランドにも同じことが言えます。
なぜその会社は青なのか。
なぜその商品は黒なのか。
なぜその店は白を基調としているのか。
そこに明確な理由があるブランドは、強い。
なぜなら、見た目と中身が一致しているからです。
一方で、なんとなく流行っているから。
競合が使っているから。
好き嫌いだけで決めた色は、時間とともに薄れていきます。
色は、装飾ではありません。
色は、価値観を伝える手段です。
言葉になる前に、相手へ届くメッセージです。
デザインの現場で本当に考えるべきことは、
「何色にするか」ではなく、
『なぜその色なのか』です。
その問いに答えられる色は、強い。
その理由を持つ色は、残る。
人が選ぶ色には、今の自分が表れます。
ブランドが選ぶ色には、その未来が表れます。
だから色は、軽く決めてはいけない。
選ぶ色は、
あなた自身を語っているのです。
Beyond Design.
It’s Craft.